2011年3月18日金曜日

鵜野さんへ

合掌

人間には予測のつかない突然の悲劇。
だいじな「友人の生」を確認できて心の折れそうだったところに光が見えましたね。

看護の基本理念を現実の事態で知ったのだと思います。
多くの人命の悲劇は、生を享けた私たちにこれからどう生きるべきかを示しています。

私には4人の子供がいます。
滝川高校を長男・次女が卒業しました。
長男は今上海に、次女は東京に。次女はあの日会社からアパートまで3時間歩いたそうです。

東京にいる姉と姪二人を心配して、長男が上海からすぐ電話がありました。
車にいた長女は、自宅に駐車場についてすぐの地震、孫が後部座席で寝ていて、左右に揺れ動く車のハンドルを必死に握り締めていたそうです。

上海からは日本の悲惨な映像が速報されたのだそうです。
世界中が見守る中、多くの犠牲者が出たのをまだはっきりとは遠隔地のひとには分かりませんでした。

そして次男は,被災地救援に出向いています。

どの家族もみなそれぞれの肉親を心配し、
みんなが、それぞれの立場でできることをしているのではないでしょうか。

鵜野さんは、
友を家族を失った多くのひとの気持ちを汲み、
天職としてひとの幸せを追求しながら地道に努力を重ねてください。
若い皆さんに未来がかかっているのではないでしょうか。

阪神大震災のとき、北海道少林寺拳法連盟を代表して200万円の義援金を手に海から神戸のまちに上陸しました。
悲惨な神戸のまち、惨憺たる光景を目の当たりにしました。

都市は再建されても、ひとの心は容易に再生回復するものではありません。
ひとは必ず死を迎えます。
鵜野さんの仕事はひとに希望を与える崇高なしごとです。
崇高ということはむずかしいことです。

仲間と今できることは何か、「無理はせず、考え、あせらず」行動してみては如何でしょうか。

被災に遭わなかった地域、人々が元気でなければ弱者にある人々を手助けすることはできません。 相互依存!自他共生!

旭川医科大学はすばらしい大学です。最高学府で学ぶ皆さんが地域医療に貢献し、あなたに世話をしてもらってよかったと思ってもらえるすばらしい医療従事者になることを期待しています。
純粋な気持ちを持ち続けることがだいじなことなのだと思います。

一日も早く翔子さんのなまの声と、早く会えることを祈っています。

合掌再拝 池上治男 

1 件のコメント:

  1. 直接のメッセージ有難うございます。

    池上さんのご家族も無事で何よりです。次男の方が、救援支援に向かったんですね。まだ、余震や原発の問題など、不安な所は沢山ありますが現地の方を一人でも多く安心させられたら良いですね。

    池上さんの言う通り、私の目指している仕事は人々に希望や安心感を与えることの出来る仕事だと思います。今回の災害で、改めて自分がこれから就きたいと思っている仕事の大切さ、責任の重さ、影響力など色々なことを考えさせられました。
    今、私が出来るのは今回の災害で感じたこの気持ちを大事にしていくことだと思っています。
    学内では、災害復興支援の活動が始まりました。募金活動や献血など、ものとして残るものは大切ですが、誰かを支えたい、という気持ちをこれからも忘れないでいこうと思っています。

    池上さんの連絡のおかげで、翔子ちゃんの無事を確認でき、本当に嬉しく思っています。
    池上さんの御家族のこれからの健康と安全を祈っています。

    2011年3月20日
    鵜野

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