2012年3月3日土曜日

砂川小学校三年生親子レクリエーション少林寺拳法を体験する

合掌
3月1日午後1時25分から45分間、砂川小学校において、生徒と保護者合わせて100名を対象に少林寺拳法を体験する授業に講師として呼ばれた。
橘教師と保護者代表のお母さん高橋さんにお世話になりました。

2011年度当初に高橋さんから、この企画に来ていただけるかと問い合わせがありました。
勿論、少林寺拳法の普及活動、地域との共生の観点からも喜んで行かせてもらう旨伝えたわけである。
そうして、今年に入り日時が近くなってから、橘教師からも電話があり、打ち合わせをしたのである。

丁度、先の本部において武専教員研修会の前日、コース制の認定講習を受講しているまさにその最中に、橘教師から打ち合わせの電話があったのである。

全く少林寺拳法を知らない小学校3年生とその保護者の皆さんに短時間の間に少林寺拳法の魅力を伝えなければならないのである。
凝縮した指導というより、兎に角、体験体感してもらわなければならない難しい時間であることは推察の通りであります。
お母さんの方が多い中、お父さん或いはお祖父ちゃんも参加するのではないかと思われ、そうした意味からコース制の、マイステップ、ゆたらくのコース制を参考にすることにつながるのではないかと思われた。

今回の授業企画は私にとっても有意義な時間であった。

滝川道院の小林優輔拳士(砂川高校2年)にも参加してもらった。
というのは、この3月に行われる高校全国大会の単独演武に北海道代表として出場することもあり、その演武を披露してもらうことにした。
事前打ち合わせにおいて橘教師からも彼の演武を是非皆に見せてもらいたいという強い希望があった。
小学校1年から少林寺拳法を始めた彼の拳歴は今回の授業に最適教材であることに違いないのである。

砂川小学校の校長先生と挨拶交わした後、早速、会場の体育館に案内された。入り口付近には保護者、中には既に整列している小学3年の子供たちがいたのである。
100名を越える人数であったので、実に心躍る時間の始まりとなった。

最初に紹介があり、そしてすぐに私に進行を任された。
まず、少林寺拳法とは何かを説明した。
灰谷先生の「天の瞳」の話に触れ、是非その小説の倫太郎の生き方を学んでもらいたいということを伝えた。
実は私自身も再度幼年期少年期を読み返して今回に臨んだのである。

すぐに呼吸法から入り、ゆっくり筋肉を動かす動作から、アップしていくようにつないでいった。
人数が多い事もあり、このときにはステージ上において動作を示した。

軽い目打ち(勿論目打ちとは言わないで高さの説明にとどめた)、拳を握り、上段、中段、蹴りを下段、中段、中段回し蹴り、上段回し蹴り(さすがにこのときは驚嘆の声が上がる。)これでもうお母さん方は汗をかいているようであった。

ステージから降りてから、手刀打ち(手刀打ちの言葉は使わないで)の動作に対して、吸収する受けの動きを行った。
コース制で実施しているものと同様の所作である。

少林寺拳法が怖いものではないことを、これでまず体感する事ができたようであることを、見ていて感じた。
概して、少林寺拳法のデモンストレーションはその凄さを伝えようとする傾向にある。恐怖に陥れてはいけないのであり、もし恐怖を植えつけてしまっては普及にはならないのである。

最初の一連のこうした動きの際に、橘教師が動作所作をマイクを通して伝えてくれた。
普段聞きなれた先生の協力は子供や保護者に安心感を与えたことは明らかであった。
これでこの後の動作所作の指示において、怖いというイメージの支障が取り除かれたのである。

次に基本的抜き技の体験、小手抜きから始めた。しかし、決して小手抜きとは言わずにである。掴まれた手を合掌するが如きにし、自分の肘をお母さんの肘の上に重ねるように回転するという指示だけである。
小林拳士と私が場内を回りながら少しずつ指導して廻るようにした。枝葉末節にこだわることなくである。

切り抜きに入った。これも技の名称を言うことなしに所作の説明を行った。

さて、この後すぐに、小林拳士に切り抜きの攻者になってもらい、わたしがやるのを見てもらった。そして、親指を切り抜く事を示した。そして再び皆さんに体験してもらった。
そして、いよいよ、切り抜きではなく、巻き小手を行い投げるのを見せたのである。
この瞬間、見ていた人たちの目が丸くなったのを感じたのである。
そして、橘教師に突然の参加を促した。
事前の打ち合わせはなかったことは言うまでもない。
巻き小手をいくらか早い速度で行った。
先生は柔道をやっていたそうで、投げられたときに受身をとったのであるから、その様子を見た参加者に与えたその技術の効果は倍増した。
体が頑丈で大きい先生が受身をとったその時、大きな歓声と拍手が起こった。
要するに、大いに「うけた」のである。
立ち上がってから、先生は、「わたしは学生時代柔道をやっていたので、今日覚悟していた。投げられたら受身をとろうと思っていた。」と、少林寺拳法を大いに持ち上げるためにそう言ってくれたのである。
先生は、兎に角、この企画を盛り上げることに、一生懸命なのである。 
よき先生である。

その後、少林寺拳法の技術を本格的に見せ、小林拳士も全国大会に出場する演武を披露した。少林寺拳法は凄いものだといことを見せたい衝動に駆られるのを押さえたのであるが。
この技術披露時には、恐怖を感じるのではなく、やさしいことから少しずつ始めれば誰にでも出来るという思いを持ってもらえたのではないかと、私には感じられたのは思い過ごしであろうか。

お母さんの中の何人かが、子供の頃、私の塾に来ていたということを後で知った。

あっという間の時間も終わりに近づき、そしてクールダウンを行いいい時間を終了したのである。短いけれど充実の時間を終えたのである。

参加者全員に配布できるようにと少林寺拳法の月刊誌を持参しておいたものを帰るときに手渡してもらった。書物から少林寺拳法の情報を得ることとなる。

砂川市の広報も取材に来ていて、広報誌に掲載してよいかと聞かれ勿論快諾。
一言で少林寺拳法は何ですかという広報の問に、「護身、楽しく命を守る」と回答した。広報誌を後で見て確認してみたい。

校長室において暫く歓談をしたのであるが、校長先生からも武道に、池上先生のように、勝ち負けのない、危険の少ない少林寺拳法の専門家に授業で教えてもらったらいいのではないかということにも言及された。いわゆる、中学校の武道の必修化に向けての話である。
また、地元の小学校、中学校、高校を教育の場として、今日のような保護者と生徒のふれあいの場としての一貫性を持ちながら、田舎においてもよき人材を育てたいものである事を話題としたのである。

辞した後、夜、橘教師から電話があり、その後の父母との懇談において、今日の授業は良かったということと、何よりも少林寺拳法を初めて知ったという話題であったことを伝えられたのである。
講師に対して最期まで気を使ってくれたのである。
思いやりのある配慮である。もし、また依頼されたら快諾することは至極当然である。

今回の企画をしていただいた砂川小学校3年生とその保護者会の皆さんに心から感謝申し上げたいと思います。有難うございました。
重ねて、橘先生、高橋さんにお礼を申し上げます。

また、コース制の担当者に、これをもって報告に代えさせていただきます。

小林拳士のお父さんがビデオ撮影をしていただき、感謝申し上げます。

合掌再拝 池上治男

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