2012年5月31日木曜日

竹房薫稀拳士准拳士允可 乱捕りのない稽古は無力なり

竹房薫稀拳士 2012年5月13日初段准拳士合格
合掌
2012年5月27日 道東武専北見地区の指導に行ってきた。
挨拶の中、或いは講義の中で金剛禅の指導者のあるべき姿について話した。
最近、稽古をしない指導者が増え、また軽口をたたく者が増えていることを懸念しているということを伝えた。
少林寺拳法の三徳においても護身ということの意義を忘れ、門下生には厳しく自分に甘いということの恥ずかしさを感じていないのではないか!
汗をかかないままに道場で過ごす指導者の多さは、武専での学生の話からも伺える。
武専には、7回行けばいい等と門下生に軽口をたたけば、それがどれほどの悪影響があるかを気にも掛けない指導者が居る事は残念なことである。
さて、道東武専の基本においては乱捕りの重要性を認識させることに時間をかけた。

乱捕りのない稽古は実に無味乾燥であること。乱捕りのない稽古は無力であること。
道院長、幹部拳士が積極的に乱捕りを行えば、自ずと道場の拳士にも気概をもたらし道場の雰囲気は一気に変化する。
少林寺拳法は、闘わなくとも闘える態勢を常に持ち合わせていなければならない。
常日頃の稽古にその実をたわわに蓄える守株の意義を理解しなければならないであろう。

北見では、松林拳士の乱捕りの稽古中、フェースガードのゴムの部分が切れてしまった。
武専には、必ず二重胴、フェースガード、マウスピース、金的カップを持参し、いつでも稽古できる準備をして来てもらいたい。

道東の武専には、札幌地区の拳士にも是非一年に一度くらい参坐してもらいたい。
道東地区の指導者、学生は野幌へ通っている事実を重く受け止めてもらいたい。彼等は経済的にも可也の出費を伴っている。誠に敬意にあたいするものである。
さて、いよいよ高校大会、北海道大会に向けて稽古を充実してもらいたい。
北海道大会参加希望者は、是非申し出てください。例年より参加希望者が増えています。
今のところ、中学男子初段、三浦広大拳士&鈴木貫太拳士、
中学女子初段、竹房薫稀拳士&早坂愛梨拳士、
小学女子単独に小林幸拳士、高校単独に小林優輔拳士、早坂太樹拳士等が参加予      定である。
小学校の部に、奥村匠拳士は検討中のようです。

徐々に、体験希望者が増加して来ているのですが、一人でも多くの仲間を増やすことに協力をお願いしたい。

合掌再拝 池上治男

2012年5月26日土曜日

滝川道院専有道場祭壇映像 道東武専北見にて

合掌

滝川道院専有道場の祭壇公開します。

現在道東武専出張のために北見セントラルホテルに来ています。
画像をブログに掲載の指導を松林拳士から受けた。
明日の武専の基本において乱捕りを中心に実施。
フェース面、二重胴を使用し実施したいと考えています。
乱捕りの体験無しに、護身を身につけることが出きない。
乱捕りのない稽古は無力なり。日々の稽古に乱捕りを!年齢に応じた乱捕りを体験して欲しい。

先日の中学生大会において、鈴木貫太拳士、三浦広大拳士両名とも予選通過。
本選は残念ながら、4位5位のようでした。斉藤主審の判定においては入賞のようであったが残念であったと他の先生から伝えられた様でした。
どんな審判であろうが、うならせるよな演武が必要なのであろう。

野坂理事長とも会談したが、審判の公平な判断審査技術をレベルアップすることが必要であると一致した。
高校大会も技術レベルの高い審査が望まれる。審判が各技術を十分に理解していなければ参観者の理解は相変わらず得る事ができないであろう。

中学生大会の組演武決勝を全て採点し、斉藤審判長と比較してみたが、1組目2組目の判定を除き全て一致した。
光明寺の組演武は非常に良かった。


合掌再拝 池上治男

2012年5月14日月曜日

5月13日北海道武専 昇格試験 村谷満拳士、早坂愛梨拳士、竹房薫稀拳士 がそれぞれ合格

合掌
5月13日日曜日は、滝川道院の村谷満拳士、砂川道院の早坂愛梨拳士、竹房薫稀拳士の三人にとって生涯の思い出深い一日となったことであろう。

村谷拳士は、数年前に60歳で初段に合格した女性拳士の荒木拳士の新聞記事を見て自分にもできるだろうかと思い、挑戦して見ようと入門して来たのを昨日と事のように覚えている。
還暦を過ぎてから少林寺拳法を始めるのには実に勇気が入ったことであろう。
若いうちから少林寺拳法を始めたのとは自ずと大きな違いがある。
ボイラーの仕事の関係で夜勤明けの土曜日の朝の稽古しかできない状況であった。
それだけに柔道の経験があったとはいえ、少林寺拳法の学科実技のカリキュラムからして大変な3年間であったとことは言うまでもない。
自分より若い拳士と同じようにはいかなかったかも知れないが、長時間かけ人一倍の努力をしたのである。
ここ二ヶ月の間に火曜日の砂川の専有道場の稽古に来て、早坂恵副道院長と演武の稽古を行い試験の準備を行ったのである。年齢による格差は埋めることができないのも仕方のない事である。
また、滝川クラブの稽古では、竹房朋絵拳士(母親の方)を始め、酒井克彦拳士、小林優輔拳士、鈴木貫太拳士等と何度も何度も稽古をしたのであった。
相手をした拳士諸君は、中学生大会、高校生大会に臨む稽古の時間を惜しむことなく相手をしてくれたのである。
拳禅一如、組手主体が稽古中に醸成されたのは言うまでもない。

早坂愛梨拳士、竹房薫稀拳士の二人も昇格試験を受けるに当たりおよそ3ヶ月の本格的準備期間を設けた。
当初は私の厳しい叱責を受けたのは仕方のない状況であった。
二人とも最初は昇格試験の何たるかを理解してはいなかったのである。
しかし、二人には素晴らしい母親がついていたことを皆も承知の通りである。
母親二人は既に有段者であり、武専の学生でもある。
この二人の度重なる指導と、澤田友季子拳士の指導の下に着実に技術、思考も徐々に変化していったのは言うまでもない。

5月20日の中学生大会に出場予定の鈴木貫太拳士、三浦広大拳士(足の骨折の関係で稽古を満足にできなかった。)、6月17日の高校大会に出場する小林優輔拳士、早坂大樹拳士等の単独演武の稽古と並行して、昇格試験の稽古が行われたのである。
火曜日、水曜日、金曜日、土曜日の彼等の稽古中の小演武会と称しての技術披露は日を追う毎に上達していった。

村谷拳士も既に技量的に十分な拳士を相手にして、引っ張られて上達していったのである。
少林寺拳法のカリキュラム、また年齢を判断して受験しなければならない時期であったと本人も私も判断したことに間違いはなかった。
当日の試験の相手が技術のうまい拳士と組むことが出来れば問題はないまでになった。
少林寺拳法の学科は、晩年期の年齢に少林寺拳法を始めたことを斟酌したとき、今の問題でも難しすぎることは明白である。しかし、それを乗り越えてこそ達成感を味わえることとなる。

今後、コース制の中でこうした高齢者の試験に対する方策も考慮していく事が必要であろう。
往々にして、少林寺拳法の高段者が陥る事として、自分自信の過去の経験を全く人づくりに活かされないことにある。
自分の技術の未熟さを忘れ、相手に指導と称して全く相手に受け入れられないことを強要することである。
先日川島部長が深川に学生合宿の指導に見えた際、私も一つの提案をした。
道院長研修会等において、道院長に対する資格審査を定期的に実施してはどうかということである。全く汗のかかない指導者、技術の修練を怠る状況を打破するためにも日頃からの緊張感が必要であると伝えた。
立合い評価法において審判をする者が全く乱捕りをしたことがなければ、本当の意味で審判をすることは困難であるからである。
演武にしても大会等の演武経験のない者が審判をしても同様である。
修行の年月以上にその質が問われているのである。
指導者然としている者には、門下生、拳士諸氏は直接その不信を言わなくとも拭えない事実を受け止めねばならないことは言うまでもない。

然るに、長い年月を少林寺拳法の世界にいた拳士は、謙虚にこうした高齢入門者に対する対応を判断する事が宗門の行としての有り方を問われている事を努々忘れなきようにしてもらいたいものである。

昇格試験においては何が起こるかわからないものである。
今回、村谷満拳士の相手となった甲斐先生の門下生の拳士も合格されたのであるが、甲斐先生、また野坂理事長と共に、私も本部委員としての慎重な対応を協議した。
試験が人を育てるためにあるのであり、試験が人の自信を失わせるものであってはならない事を、私は考試員審判員講習会の際に伝えたのである。

甲斐先生の若い門下生は、試験に合格しましたといって、役員控え室に入って来て嬉しそうに報告したのを見て、また、甲斐先生に促されて私にも挨拶をしてくれ、握手をしたときに思わず目が潤んだ。

試験は厳しく採点は思いやりという事は、人を育てるのに寄与するかどうかにかかっていることも忘れてはならない。

拳士の技術の差はあるのは仕方のない事である。
それだけに、道院長を始め指導の先端に立つ者は自分の過去を振り返り、今を真剣に汗をかき稽古に励むことで真の人づくりとは何かに思いを馳せようではないか。

武専では、研究科1年を担当した。
コース制の指導資格者は野坂先生と私だけであり昨年は野坂先生が担当された。
今年は私の番であるというわけである。
女性のための、マイステップコースの学習の1回目を指導した。
8ビートにのって他の学生が知らない世界をつくったのである。
有酸素運動とも言える誰にでもできそうな動きを十分に理解してもらえたのではないか。
本来の武専の技術指導としては、上受突の表裏、圧法、丁字投等を実施した。
しかし、コース制の動きに押されたのが偽りのないところである。
このコース制の意図するところを十分理解してもらう一年であることを期待したい。
学生の研究に掛かっているのである。

5月17日は中学生大会であり、会場は東野幌体育館である。
三浦広大拳士、鈴木貫太拳士の二人は出場する。
三浦拳士は、入賞の常連であるが、鈴木拳士は今年はどうであろうか乞うご期待!
先週とこの週は彼等の修学旅行があり、大変な週であることは言うまでもない。

今回初段に合格された拳士は、この経験を他の後輩に伝える義務を負ったことを忘れてはならない。

真新しい黒帯を締めて、苦労を重ねる中に喜びを感じてもらいたい。

合掌再拝 池上治男

2012年5月1日火曜日

福島武専に派遣

合掌
福島の原発の被災は言葉に表現できないことである。
地震そのものの被害も須賀川市の倒壊した建物を見ると震度6から7であったようである。
武専学生も勿論被災地の中心の人たちの正常な活動は困難である事は言うまでもない。
学生数も35名程のようである。
ここからあらゆることの再出発が始まるのである。
現実を受け止め現実を回避することなくあるがままの姿を持って進むのみである。

基本の稽古は、目打ち金的の当身の護身としての有用性を詳細に説明した。
闘わなくとも闘える少林寺拳法の技術の稽古でなければならない。

守者の受けにおいて両方の足を退歩させる受けは護身としては非常に危険極まりないのであることを知らせた。
命懸けという言葉があるが、命懸けとは生死の境において生を得ることに繋がらなければならない。
法形はそのように自然な護身の姿を示しているのである。
ほんの少しの守者の動きは、命懸けに繋がらなければならないのである。

片手投げの掛手の位置を急所との関係を熟達するならば、容易に片手投げを一瞬の激痛と共に知らしめる事ができる。
多くの拳士が本当の痛み、活人拳の痛みを知らないのではないだろうか。

乱捕りを行わない稽古は如何に護身に繋がらない事を知らねばならない。

福島の学生は、講義、技術の稽古においても一生懸命であった。
一生懸命であればこそ、指導する者にとっても有難い事である。

理事長は福島の再建に頭を悩ましているが、一人の力ではどうにもならない。
福島県人のみならず少林寺拳法の拳士が一丸となって協力態勢を構築しなければならない。
温厚で芯の強いよき理事長である。
入学式も生花を飾り厳かに施行されたのであるが、以前に北海道の入学式も祭壇を美しく行っていることを伝えて以来、福島もそうしているのですと話されていた。

総裁がいち早く福島を訪問されたことは、総裁を始め日本中の拳士が福島を注目しているだということを最後の挨拶の中で伝えた。

今、このパソコンの打ち込みの後ろで、5月13日の昇格受験の稽古と、鈴木貫太拳士が中学生大会の稽古に励んでいる。

合掌再拝 池上